今回は、
Audacity,
GarageBand,
ExPodという3つの波形編集ソフト(ポッドキャスト製作に深く関わるソフト)を使ってノイズ除去性能を比較してみます。
音声サンプルは、昔交流させていただいたネットラジオをやっている方に録音していただきました。
録音環境は、ダイナミック・マイクBEHRINGER XM8500を、キャノン-ステレオミニプラグの一本のマイクケーブルでPCで直接接続。
PCのサウンド性能にもよりますが、一般的に「サーッ」というホワイトノイズの入りやすい環境です。
各ソフトを使用するときは、それぞれ最良のパラメータで除去するように心がけました。
なお、各ファイルは大きめの音量、ヘッドホン着用で聞いてもらえると違いが良く分かるかと思います。
まず未加工の、元のファイルです。
再生できない場合、ダウンロードは🎵
こちら内容はひとまずおいておくとしまして、しっかりとホワイトノイズが含まれていることが確認できます。
ちなみに今回のこのファイルは、ノイズの量としては比較的少ないほうです。
ではこれを、フリーの波形編集ソフト
Audacityにてノイズを取り除いてみます。
まずStep 1でノイズ部分を査定、その後Step 2でそのノイズ成分を差し引きます。
元の音色を変える方式です。
ノイズ除去具合は最小(less)を選びました。
Audacityの場合、最小以外の値を選ぶと元の音色が著しく変化してしまう傾向があります(声がシュワシュワといった合成音っぽくなります)。
再生できない場合、ダウンロードは🎵
こちら元々のノイズが少なめなので、かなり除去できています。
ただ、音を大きくすると、無音であるべきはずの部分に微かに金属音が混じっていることがわかるかと思います。
次は、Mac専用ソフト
GarageBand 3の場合です。
トラックのエフェクトを「Male Narrator Noisy」に設定。
これもAudacityと同じく、元の音色を変えてノイズを除去するものです。
「スピーチエンハンサー」というエフェクトが作動するのですが、標準設定では少しノイズ除去が足りなかったため、やや大きなノイズ用の設定にマニュアル変更しました。
再生できない場合、ダウンロードは🎵
こちらかなり綺麗にノイズを除去できています。
本来ホワイトノイズがのっていた部分が、完全な無音部分となっています。
ただ、大きなノイズという設定にしたせいか、元の音声にややパンチがなくなっています。
最後に、ポッドキャスト製作専用ソフト
ExPodを試します。
本来ExPodでのノイズ除去は、その場の録音環境によりフルオートで設定されるものですが、今回はエキスパートモードと呼ばれる波形編集方法を使って、他のソフトと同じように手動でエフェクトを設定しました。
そのため、最適の方法でない可能性があります。
このExPodのノイズ除去エフェクトは、VoiceProcessorと呼ばれるもののうちの一つに含まれるようです。
プリセットを「For narration」に設定し、ノイズ除去に関係がありそうな「Gate」の値を最適に調節しました。
設定した音量よりも下の音をカットする(ゲートを閉める)、ノイズゲート機能だと思われます。
再生できない場合、ダウンロードは🎵
こちらこれもGarageBandと同じく、喋っていない部分が完全に無音になっています。
しかもGarageBandのように元の音声にはほぼ影響がみられません。
(ちなみにVoiceProcessorでは、ハイパス・フィルタなど声に特化したエフェクトが同時にかけられるため、音質は良い方向に変わっています)。
なお、ノイズゲート特有のメリハリ感(音が出ているところと無音部分の差)がはっきり出ており、ここは好みが分かれるところかと思います。
元の音色を変えない代わりに、喋っている部分に乗っているホワイトノイズが少し残るかたちとなっています。
ということで、ざっと比較してみました。
環境によって、また、設定するパラメータの具合によって結果はまた大きく違ってくると思われますが、一つの目安にしていただければ幸いです。