2013年06月27日

録音・編集時に使うモニター用ヘッドホン

音声を編集している時にあると便利なのが、モニター用ヘッドホンです。

モニター用ヘッドホンとは、純粋な音楽鑑賞のためではなく、音をそのままフラットに伝え、音の大きさや位置をはっきり確認・モニタリングするためのヘッドホンです。
音の強弱や種類がはっきり分かった状態で音声編集すると、結果的にクリアな音質で作品を仕上げることができます。
また、録音中のモニタリングや、他の方が作った作品を聞くときにも参考になります。

自分が使っているのは、MDR-CD900STです。

MDR-CD900ST

ありのままの原音を忠実に再生する特性があります。録音の現場(スタジオなど)で定番としてよく使われており、ミュージシャンの方々がレコーディング中にこれをつけている写真などを皆さん一度は見たことがあるのではないでしょうか。

また、自分は10年以上使っていますが、全く壊れません。これはすごいです。
耳のパッドが外れたりボロボロになることもなく、かなり長持ちしています。
ケーブルも絡みにくいものを採用しているので、収納状態からすぐに使え、便利です。

SONYのモニター用ヘッドホンとしては、他にMDR-7506などがあります。

MDR-7506

SONY MDR-CD900STと似た音質を受け継いだまま、少しリーズナブルになり、折りたたみが可能・カールコード・キャリングポーチ付属、また、ほとんどのコンピュータに直接接続できる、ステレオミニプラグ仕様となっています(フォーンプラグへの変換アダプタも付属)。

音質にこだわる方々には、ぜひ検討していただければと思います。
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2013年06月26日

音声をマキシマイズして聞きとりやすい音質にする

ネットラジオ等や歌で音声を編集する際にマキシマイズという作業を行うと、平均的に聞き取りやすいファイルが出来ます。

マキシマイズは「音圧を上げる/稼ぐ」という表現も使われ、音を単純に大きくするのではなく、迫力をつけるといったイメージです。

とあるネットラジオで使用したトークの音声波形を例に、図でご説明します。

maxi.png

■録音したての音声(一番上の波形)

波形の縦幅が上下いっぱいに広くなっている所は、音が大きい部分です。トークですと、大声で喋ったり笑ったりしている部分です。
普通に喋っていたり、小声になっている部分は、ふり幅が小さくなっています(へこんでいる部分です)。

このままの状態でも音声は聞き取れますが、そのままボリュームにつながりますので、聞いている人がボリュームを調整する際、大声に合わせればそれより小さいものを聞き取りにくくなりますし、小さい話し声に合わせれば突然うるさくなったりといったことが起こりやすくなります。

そこで、それを避けたい場合、以下のように編集します。

■圧縮後の音声(真ん中の波形)

まず音声の大きさを均一化するために、全体にコンプレッサー(圧縮)というエフェクトをかけます。
例では、無料の波形編集ソフトAudacityの「圧縮」エフェクト(効果)をかけています。
今回の数値は、しきい値-20dB、比率6:1、アタックタイム0.1秒です。
『□ 圧縮後に音量を基準化します』の部分は、今回は別のソフトで音量を稼ぐため、チェックを外しています。

comp.png

この処理を実行すると、図のように波形の縦のふり幅が揃います。
これで音の強弱が少なくなりました。
このあと、全体の音量を持ち上げます。

■マキシマイズ後の音声(一番下の波形)

最終的に音圧を上げる作業です。小さい音や大きい音の雰囲気は保ちつつ、聴覚上の大きさを最大にします。
マキシマイズをするには様々なソフトがありますが、今回はある一定時期に販売されていたvaioに搭載されていた、SonicStage Mastering Studioという音楽編集ソフトを使い、その中のWaves L1 UltraMaximizer for VAIOというエフェクトをかけました。
Waves社のUltraMaximizerは、マキシマイズでは定番とされているもので、高品質なエフェクトです。

マキシマイズを行うと、全体の波形が平均的にふり幅が大きくなり、まとまっているのが分かります。
このファイルを聞いてみると、極端に小さい音声はなくなり、元々大きい音声もうるさく感じることはなくなり、なおかつ全体的に迫力のある音声になっていることが確認できます。
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2012年03月11日

USBオーディオインターフェイス「QUAD-CAPTURE/USB Audio Interface [UA-55]」

自分がかつて使用していたUSBオーディオインターフェイス「UA-25」の機能を受け継ぐ、最新機種が発表されていました。

ROLAND ( ローランド ) / QUAD-CAPTURE
ROLAND ( ローランド ) / QUAD-CAPTURE / USB Audio Interface [UA-55]

入力レベルが視覚的に分かりやすいインジケーター、さらに高品質になったマイクプリアンプ、自動で入力レベルを判断するAUTO-SENS機能、さらに昨今需要が多いと思われる、Ustream放送やニコニコ生放送などで便利なLOOP BACKモードなどが搭載と、非常にパワーアップしています。

何よりブラックの外観がカッコいいです。

特にLOOP BACKモードは、パソコンから出る音と、マイク等から入力される音をミックスさせてからもう一度パソコンに返す、そんなミキサーとしての役割を果たすようです。
パソコンでBGMを流しながら、一方でマイクで喋るといったようなことが簡単にできるようになります。
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2009年03月11日

1エントリで分かる「ポッドキャストの仕組み」

「ポッドキャスト・ポッドキャスティング・Podcast・Podcastingって何?どうするの?その配信・受信方法は?」

今回は「ポッドキャスト」について、簡潔に解説してみます。
なお、あくまで私自身の解釈の範囲なので、ご了承願います。


■ポッドキャストとは

語源は、ポータブルオーディオであるiPodと「放送」の意味をもつBroadcastの組み合わせたものです。

パソコンで受信できる音声や動画のコンテンツという認識が一般的です。

放送時間にあわせてパソコンで聞く「生放送」形態がネットラジオだとすれば、ポッドキャストは予め作られたものを後で放送する、「オンデマンド型」のコンテンツといったところです。


■ポッドキャストの仕組み

[音声や動画などのファイル]+[RSS2.0]+[RSSリーダー]の3要素から成っています。

そして、この組み合わせを「ポッドキャスト/ポッドキャスティング」と呼びます。


[音声や動画などのファイル]

テキスト以外の、容量の大きいリッチコンテンツが主流です。
一般的にはMP3形式の音声ファイルであることが多いです。

[RSS2.0]

RSSとは、Webページの「あらすじ」みたいなものです。

本来この「あらすじ」はテキストと画像のみで形成されていましたが、これに前述の音声や動画ファイル(へのリンク)も加えることが出来るのがRSS2.0です。

ちなみにRSSの実体は、ホームページを作る際に必要な言語であるHTMLと同じような外観をもつ、XMLという言語で書かれた簡単なテキストファイルです。

これは、ブログサービスの一部として、更新すれば自動的に形成されるものも多いですが、メモ帳などで自分で作成することもできます。

現在、いくつかのブログサービスはRSS2.0を自動的に生成してくれます。
「ポッドキャスト対応」と謳っているブログサービスは、この仕組みを実装しているということです。

[RSSリーダー]

アグリゲータとも呼ばれるソフトウェアです。

これをパソコンにインストールし、希望のRSS2.0が記載されているアドレスを指定すれば、更新される度にRSS2.0に書かれた音声/動画ファイルなどがダウンロードされます。

イメージ的には、「あらすじを勝手に読みに行って、メインの内容の部分をもってきてくれるソフト」といったところです。

この「メインの内容」とはつまり、音声/動画ファイルそのもののことです。
これをポータブルプレイヤーに入れて持ち運ぶなり、パソコン上で再生するなりして楽しみます。
これで「ポッドキャストを受信」していることになります。

このRSSリーダー/アグリゲータで最も有名なものは、AppleのiTunesです。


■ポッドキャストの配信方法

前述の流れを踏まえて、以下を用意します。


[音声や動画などのファイル]

メインの部分です。
ちなみに、MP3やm4vなど、再圧縮せずにiPod等でスムーズに再生できるファイル形式が主流です。

[RSS2.0]

前述の通り、各種ブログサービスで自動生成されるほか、動画共有サイトでも自動生成される場合が多いので、それらの各種サービスを利用すれば自動的に実装できることになります。


以降は、自身のペースでファイルを製作・アップロード→RSS2.0が「あらすじ」を新たに書き換える→受信者の方のRSSリーダーが更新を察知してそれをダウンロード…という流れで「ポッドキャストの配信」ということになります。

基本的にはこの作業の繰り返しでポッドキャストを配信できていることになります。
また、ポッドキャスト番組は、「iTunes Store」へ登録することができます。

iTunes Storeはポッドキャスト・アグリゲータソフトであるiTunes内に存在する「音楽やポッドキャストのお店」みたいなもので、各種ポッドキャストを探す上でのポータル(玄関)サイトとしての役割を担っています。

無料で登録できるので、番組を告知したい方は是非とも利用しておきましょう。



以上、簡単ですが、ポッドキャストの仕組みでした。
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2008年11月18日

Audacity,GarageBand,ExPodでノイズ除去を試す

今回は、Audacity,GarageBand,ExPodという3つの波形編集ソフト(ポッドキャスト製作に深く関わるソフト)を使ってノイズ除去性能を比較してみます。

音声サンプルは、昔交流させていただいたネットラジオをやっている方に録音していただきました。

録音環境は、ダイナミック・マイクBEHRINGER XM8500を、キャノン-ステレオミニプラグの一本のマイクケーブルでPCで直接接続。
PCのサウンド性能にもよりますが、一般的に「サーッ」というホワイトノイズの入りやすい環境です。

各ソフトを使用するときは、それぞれ最良のパラメータで除去するように心がけました。

なお、各ファイルは大きめの音量、ヘッドホン着用で聞いてもらえると違いが良く分かるかと思います。


まず未加工の、元のファイルです。



内容はひとまずおいておくとしまして、しっかりとホワイトノイズが含まれていることが確認できます。
ちなみに今回のこのファイルは、ノイズの量としては比較的少ないほうです。


ではこれを、フリーの波形編集ソフトAudacityにてノイズを取り除いてみます。

まずStep 1でノイズ部分を査定、その後Step 2でそのノイズ成分を差し引きます。
元の音色を変える方式です。

audacity.png

ノイズ除去具合は最小(less)を選びました。
Audacityの場合、最小以外の値を選ぶと元の音色が著しく変化してしまう傾向があります(声がシュワシュワといった合成音っぽくなります)。



元々のノイズが少なめなので、かなり除去できています。
ただ、音を大きくすると、無音であるべきはずの部分に微かに金属音が混じっていることがわかるかと思います。


次は、Mac専用ソフトGarageBand 3の場合です。

トラックのエフェクトを「Male Narrator Noisy」に設定。
これもAudacityと同じく、元の音色を変えてノイズを除去するものです。

garageband.png

「スピーチエンハンサー」というエフェクトが作動するのですが、標準設定では少しノイズ除去が足りなかったため、やや大きなノイズ用の設定にマニュアル変更しました。



かなり綺麗にノイズを除去できています。
本来ホワイトノイズがのっていた部分が、完全な無音部分となっています。
ただ、大きなノイズという設定にしたせいか、元の音声にややパンチがなくなっています。


最後に、ポッドキャスト製作専用ソフトExPodを試します。

本来ExPodでのノイズ除去は、その場の録音環境によりフルオートで設定されるものですが、今回はエキスパートモードと呼ばれる波形編集方法を使って、他のソフトと同じように手動でエフェクトを設定しました。
そのため、最適の方法でない可能性があります。

このExPodのノイズ除去エフェクトは、VoiceProcessorと呼ばれるもののうちの一つに含まれるようです。

expod.png

プリセットを「For narration」に設定し、ノイズ除去に関係がありそうな「Gate」の値を最適に調節しました。
設定した音量よりも下の音をカットする(ゲートを閉める)、ノイズゲート機能だと思われます。



これもGarageBandと同じく、喋っていない部分が完全に無音になっています。
しかもGarageBandのように元の音声にはほぼ影響がみられません。
(ちなみにVoiceProcessorでは、ハイパス・フィルタなど声に特化したエフェクトが同時にかけられるため、音質は良い方向に変わっています)。

なお、ノイズゲート特有のメリハリ感(音が出ているところと無音部分の差)がはっきり出ており、ここは好みが分かれるところかと思います。
元の音色を変えない代わりに、喋っている部分に乗っているホワイトノイズが少し残るかたちとなっています。


ということで、ざっと比較してみました。
環境によって、また、設定するパラメータの具合によって結果はまた大きく違ってくると思われますが、一つの目安にしていただければ幸いです。
posted by 管理人 at 12:10| Comment(1) | TrackBack(0) | 機材・技術・音質向上 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする