ポッドキャストとビジネスを、
結びつけようとするスタンスがある。
この姿勢に関して僕は肯定も否定もしないが、
非常に興味深い分野ではあるので、僕なりに考えを述べてみたい。
サイバースペース上に散らばる、
「Flash職人」という人々を、皆さんはご存知だろうか。
Flashというのは、ブラウザ上で、
スムーズなアニメや動的なインターフェイス等を実現する、
某ソフトウェアの名称・およびそれで作られたものを指す。
5年前ぐらいに、このFlashを使った、「アニメ」作品が
個人から次々と産み出され、ブームとなった。
最初は、見る価値もないような作品ばかりだったが、
徐々に面白いものが増えはじめ、
そんな中、
見た瞬間に思わず爆笑し、そして
誰かにURLを教えて伝えたくなる…、
そんな瞬発力をもった作品が出てくるようになった。
僕が知る限りで、初期に有名になったのは
「ゴノレゴ」シリーズだ。
Flash職人というのは、こういった、
サイバースペース上の人間の大半を思わず唸らせる、
卓越したスキル・センスをもつ、
Flash作品を産み出す人々のことだ。
そして最近では、このFlash職人の方々が
作品の有料提供や、HowTo本の出版などの、
『ビジネス』分野に関わっていることも少なくない。
人は、劇的に面白いものに触れたとき、
まずそれを、他の人に伝えたくなる。
そして、人によっては、
「自分でもこんなものをつくってみたい」と強く思うものだ。
Flash職人たちが、自分なりに温めてきたスキルを提供し、
それを欲する人々が、有料でその技術をマスターする。
そしてまた、素晴らしい作品が世に増えていく。
例えばこれが、Flashブームとビジネスが結びついた、
一つのカタチだ。
ここで忘れてならないポイントは、
これらの構図は、
「劇的に面白い作品」ありきである、ということだ。
見た瞬間に衝撃を受け、
思わず周りの人に「これ見て!!」と伝染させたくなるような、
そんな起爆剤となりえる作品。
こんな作品が増えなかったら、
前述のようなシステムは、絶対に構築されなかっただろう。
さて、ここで
ポッドキャストの世界をみてみよう。
現在、「劇的に面白い」といえる番組は、
果たして、どれくらいあるだろうか?
再生ボタンを押した瞬間、「イイ!!!」と思える番組。
Flash職人の産み出す作品と同じように、
聞いた瞬間に衝撃を受け、「これ聞いて!!」と皆に教え、
そして、その存在に憧れ、自分でもやってみよう、と思える番組。
まずは、そんな番組が増えないと、
理想的なビジネスは成立しないだろう。
『ボイスブログ君』の師匠ボイス&天才的な演出。
『モモ&YOU☆の声日記』の、
プロ然としたノリ&決して既存メディアにはない新しさ。
僕が「職人」だと感じることが出来る番組は、
いまだ、この、たった2つだけだ。
ポッドキャストとビジネスが、
いまだスムーズに結びついていないとすれば、
それはこの、
本当に面白い、
「職人」と呼べる番組・ポッドキャスターが
極めて少ないという現状のせいだ。
まずは職人が出てこないと、話にならない。
逆に言えば、理想的なビジネスを成立させようと思えば、
こういった職人の養成・または存在を増やすような
環境づくりが大事なんだと思う。
そして、
配信者の人間は、以上のようなことを踏まえて、
スキルを磨き、面白いものをつくるべきだ。
君は本当に、ビジネスを発生させるほどの
起爆力をもつ、「カリスマポッドキャスター」なのか?
各種ランキング上位の配信者の方々には、
今一度、そのあたりを自問自答していただきたい。
2007年02月01日
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>起爆力をもつ、「カリスマポッドキャスター」なのか?
全然違うぜ!と自信を持って言えます。
だからこそ、「誰かに道を切り開いて欲しい」と願っています。
そんでもって最近僕の中で結論めいてきたことがありまして、既存の音声メディアでその手の爆発的希求力を持つことは不可能なのではないか?と。
ラジオはテレビに負け、その存在価値は「日常に邪魔にならない程度に聞き流すもの」という土壌にしか立脚できていません。
ラジオにせよポッドキャストにせよ、フラッシュやテレビ等の視覚メディアを越える感動を与えられません。
好きなポッドキャスト番組はあるけれど、あくまでそれは、僕がラジオ好きだという点に依存した嗜好です。
既存の音声メディアでは、視覚メディアに太刀打ちできない。
これは歴史が証明しています。
そう、「既存の」音声メディアでは。
ここに音声ポッドキャストの未来があります。
ラジオではない、歌でもない(歌はまた別ですから)、何か新しい音声。
ラジオやテレビという概念を越えた場所にある、全く新しいもの。
愛されることを目指すなら、道はそれなりに開けている。
でも、感動させることを目指すのならば、その頂は遥か遠く、未だどの音声メディア配信者もそのふもとにさえ届いていない。
感動という点において、音声メディアは、ハンデを負ったメディアです。
とまあここまで書いて気付いたのですが、話はビジネスであって感動ではなかったのですアハハまた突っ走った。
ちょっと上を見すぎました。
南部さん、その答えは「うたわれるものラジオ」にあります。
キーワードは「愛」です。愛。
じのです。
いつもながら刺激をうけました。
特に以下に抜粋する部分
**** 抜粋ハジメ *****
見た瞬間に衝撃を受け、
思わず周りの人に「これ見て!!」と伝染させたくなるような、
そんな起爆剤となりえる作品。
こんな作品が増えなかったら、
前述のようなシステムは、絶対に構築されなかっただろう。
さて、ここで
ポッドキャストの世界をみてみよう。
現在、「劇的に面白い」といえる番組は、
果たして、どれくらいあるだろうか?
再生ボタンを押した瞬間、「イイ!!!」と思える番組。
Flash職人の産み出す作品と同じように、
聞いた瞬間に衝撃を受け、「これ聞いて!!」と皆に教え、
そして、その存在に憧れ、自分でもやってみよう、と思える番組。
まずは、そんな番組が増えないと、
理想的なビジネスは成立しないだろう
**** 抜粋ヲワリ *****
には大変共感を覚え、しかしその先の怖さを
感じました。
ジャンルが違っても同じことが言えます。
うちとこのCapriPodiaはリスナーさんに笑われちゃうと困るのですが、でも、
聞いて、感動する、もしくは
キモチヨクなってもらえる
キモチヨサが持続する
ことが必須という意味で投げかけられている
課題は一緒だと思います。
しかし、その向うにある怖さ。というのは
既存のメディア業界に山ほどいる
プロフェッショナルの制作者であり、
制作産業の存在です。
ぶっちゃけるまでもなく、単純にクオリティ
という議論をしたときには、CapriPodiaが
現状の資源でVideoキャストに足を踏み入れても、
TVでだだ流しにされている”どーでもいー”
感じの環境映像的CMにすら ”クオリティ”
で適うことはないんです。
でも、幸いにして うちとおんなじコンセプトや対象で、
既存メディアで流されてるものはまだなく
( 世界の車窓から あたりが一番近いでしょうか?)
”誰もやってない。” → ”ここにしかない”
というとこくらいが有利なとこでしょうか?
質の高いコンテンツなら資料保管庫に腐るほどもってそうな
大手旅行社さんも、ナゼなのか こういうアプローチを
とってたりしますし。
http://www.jtb.co.jp/e/staff/kensakunmovie/index.asp
"職人”というのは すごく的を得た表現だとおもいます。
茶碗ひとつとってみても、
有名なメーカーのものであっても、陶器工場で
色も形も寸分違わぬ同じものが 何千何万客とつくられて
日本中の家庭の食卓に並んでいる安価なものもあれば、
名だけではなく腕のある陶芸家(職人)が手作りした、
世界中に同じものがひとつもなく、
一客の値段で、先の量産品が千客も買えるものもある。
陶芸家のセンセ はそれでメシくってる訳だし。
と考えたときに、
”ポッドキャスト・ビジネス” は
自動車産業みたいに、システマティックな分業が
進んで、 ”ポッドキャスト産業” なんてなことに
なるべきなのか はたまた、その ”全体の活性化”に
組みすべきなのか とかは
難しいところがあると感じます。
さいごにひとつ、
インパクト に続いて 常習性 習慣性 も
”トータルの露出”をあげるために アリだとおもいます。
やりたいことを まっすぐやってきましょ。
確かに音声コンテンツは、
視覚的効果を産み出すものと比べて不利かもしれません。
でも、そうだとしても、
今のポッドキャストのレベルは低すぎる、と感じます。
「MADニュース」というものがあります。
既存の音声を組み合わせ、
笑いを誘う、一種のコラージュ作品です。
僕はこれを初めて聞いたとき、
かなりの衝撃でした。
また、エントリでは触れませんでしたが、
ポッドキャストでいえば、
「役に立たない英会話」
「むてきんぐのぶち切れ音源集」
この2つなどは、思わず誰かに言いたくなる内容で、
十分な起爆力を兼ね備えています。
音声には音声なりの楽しみがあります。
全体的なシェアは狭くても、サイバースペース上で
少しだけでも、そういったブームが起こればいい。
そう思います。
現状では、サイバースペース上ですら、
孤立している(というか認知すらされていない)イメージが
ありますからね。ポッドキャストは。
技術・手法うんぬんより、中身なんです。要は。
そして、それに技術やスキルをプラスして、
売り物にすれば良いんです。
『笑えるポッドキャストの作り方』
共同著書:人気ポッドキャスター50人
こんな本が売れる世界になれば、
ビジネスの分野も活気づくのではないかなぁと。
今ですか?
50人もいないじゃないですか。人気ポッドキャスターなんて。
せいぜい10人でしょ。w
ありがとうございます。
ポッドキャストをつき進めていくと、
どうしてもテレビやラジオなどの
既存メディアを意識しがちですが、
それは、遠い未来の話、もしくは、絶対に交わらない
別の世界の話、と僕は考えます。
Flashにしても、既存メディアからすれば、
認知すらされていないムーブメントなわけですから…。
まずは、
サイバースペース上で流行する必要があるんです。
例え、小さなムーブメントでも。
そして、茶碗の例えで言いますと、
現状では、
「日本中の家庭の食卓に並んでいる安価な」茶碗を
つくる職人でさえ、不足していると感じます。
ロクなもんがありませんよ。ほんっと。w
職人の輩出・養成が早急に必要だと感じます。
最後に、常習性や習慣性から招かれる
「トータルでの露出」に関してですが、
これは逆に、
シーン全体を低迷させる要因になり得ると思います。
ポッドキャストという仕組みそれ自体は、
「MP3+RSS+携帯音楽プレーヤー」という、
単なる既存技術の組み合わせであり、
目新しいものではないからです。
だからこそ、
「ポッドキャストってこんなに面白いのか!」と
一瞬で人を感動させる、
インパクトのある『内容』の形成が必要なんです。
「ポッドキャストポッドキャストって言うけどさぁ、
面白え番組なんて、全然ねーじゃん」
…こうなってしまっては、ダメなんですね。
「面白くなければ、ポッドキャストじゃない。」
いつの日か、こう言われるような
市場になることを祈っています。
PODCASTっていうメディアをビジネスとして成立させたり世間一般へ認知させることを考えるなら、技術や戦略に凝るよりも、blog的な広がりを考えたほうがいいんじゃないでしょうか?
「ひとり(あるいは複数)のカリスマポッドキャスターがわーっと既存メディアや世間的にスターになってムーブメントが起こる」という図にはちょっと無理があると思います。
直球的な言い方をしますが、しょせん素人がテクニカルな部分でいくらがんばっても設備も技術も違うプロ(既存のメディア)にはかなわないでしょうし、それならば、既存メディアができなかったり扱えないような素人だからこそできる情報発信なりテーマなりがあるんじゃないでしょか。
blogの黎明期にも「日記公開するヒトって露出趣味?」とか「素人のヘタクソな文章読んでなにがおもしろいねん?」とかゆー声がほとんどじゃなかったでしょうか?実際、企業がマーケティングのツールとしてマス広告よりもblogに注力するようになっている現在でも、数多あるblogのうちほとんどがクソblogでしょうけれど、そのなかから光るblogが見つかったり商売のネタになるようなものがポッと湧いてでてくるって図式になってるように思います。
裾野が広がることで山のてっぺんも高くなるのでしょうし、おそらくポータルの運営企業やビジネス的な動きをしている方々の意識も、まずそのあたりにあるのだろうと思います。
ボクが常々思うのは、配信にしても受信にしても、いまPODCASTというものに触れているヒトが、まだ特殊な人々に限られていること。そんな状況の中でいくらカリスマ的人気を博していても、フツーの世界ではどうなんでしょうー?と思ったりします。フツーのヒトがフツーに聴けたりフツーに配信したりすることができるようになったとき、現状のランキングは一変する可能性も十分にあると思うのです。
そうなったときにはじめて、質や技術の高さが問われるのでしょうし、なのでいま、この時期にあまりハードルを高くしすぎるのはPODCASTというメディア全体においては得策ではないのではないかと思います。
とかゆーてますが、自分は別にPODCASTでビジネスを目論んでるわけでもなく、カリスマポッドキャスターになろうとも思ってないのでその世界がどうなろうと知ったこっちゃないのですけれど。
ただ、南部氏の感じてるのであろうイヤなムード(たぶんイライラする感じ)はちょっとわかったりはしますけど。
さっそくの丁寧なコメントありがとうございます。
ビシビシ刺激されてます!
見解の違いの原因は
多分 ポッドキャスト・ビジネスに対する
スタンスの違いが大きくて、
残りは、私の "伝える力”
(ポッドキャストの大事な技術ですね!)
不足のせいです。
いろいろ考えましたがシンプルに。
■ 既存メディア(TV ラジオ)との競合について
わたしも メディアとしては
競合しないと考えます。
ただ、表現技術
(シナリオ、脚本、構成、発声、音響、編集・・・
から 番組企画、番組構成・・・)
という分野の個別の内容は 既存メディアと
ほぼ重なるため、そこで確立している技術を
Podcaster(s) がどれだけ習得しているか、
はこれからの強み弱みにつながるとおもいます。
活路⇒ポッドキャストは、今のところ、
分業体制にはなっておらず、個人(チーム)で
上記のような必要な作業の全てをまかなっている
(ある意味 ワンストップ、自己完結型)
だから、フットワークも軽く、メディア企業なら
クオリティにも関わらず 様々な環境や思惑の
影響でボツになることがない。
自己完結のポッドキャスターが
センス(幅広い意味で)+技術 を
マスターしたら とても強力な職人になる。
■ ビジネス
何をいくらで何個売る と
どんな人、何人に売る の組み合わせ?
あと
”楽しんだ(利益を受けた)ヤツが払う”
というルールもあてはめてみる?
(続く)
いやいやありがとうございます。
まず一つは、
ブームの広がる対象は、決して
既存メディアや世間でなくてもいい、ってことですね。
サイバースペース上の、ある一部だけでいいんです。
そして、テキスト・ブログ的なアプローチに準ずるべき、
とするご意見。
これも、一理あることはあるのですが、
もう限界じゃねえか?って思うんですよ。
それならもう流行っててもいいんじゃないの?っていう。
ネット上では「目でスキャンする」コンテンツが
多いわけです。
テキスト・ブログも、当然、
目でスキャンするコンテンツですから、
流行る要素は、勝算は、もとから十分にあったわけです。
ただこれが、音声になると別です。
前にも言いましたが、
普通、パソコンのスピーカーなんて、
電源すら入れていない人が多いと思うんです。
でも、音声込みで楽しむFlashブームはやってきて、
ビジネスになった。
一部の人々は、
「あ、このFlash面白そう」と思ったとき、
はじめてスピーカーをオンにして、Active Xをオンにして、
鑑賞するんです。
その内容が、劇的に面白いであろうと思うから。
クオリティが、高いであろうと思うから。
「mp3をFlashプレイヤー等で聞かせる」ポッドキャストは、
どちらかというとむしろ、
こちらのアプローチではないか、と考えます。
Flashをマスターして、面白いアニメをつくるのは、
ハードルが高いことですよ。
素人にはなかなかできません。
でも、ブームはやってきたんです。
それは、くだらないものが淘汰され、
面白い作品がどんどん出てきたから。
全てはそこから始まる気がしています。
俺ももちろん、死ぬ気で頑張りますよ。
振り落とされないように、ね。
すみません、かなり受け取り間違えていたようですね(汗)
ふむふむ…。
表現技術としては、確かに既存メディアのそれと
重なる部分が多いですね。これは確かに。
音楽制作や映像制作の知識を持っている人のほうが、
制作するには、絶対に有利ですね。また、
Gino様のご指摘通り、それが仇になるケースも
あると思います。
要はバランスですね。
>自己完結のポッドキャスターが
>センス(幅広い意味で)+技術 を
>マスターしたら とても強力な職人になる。
おっしゃる通りです。自己完結がゆえに
出来ること、ってのがあると思うんです。
こういう職人が増えていかないと駄目だと思います。
そして…、
>”楽しんだ(利益を受けた)ヤツが払う”
これに関して、もし
「番組を受信した方がお金を払う」ということをも
指しているのであれば、
僕はそれには反対ですね。
有料で番組受信なんて、したくないですもん。俺。(笑)
サイバースペース上のあらゆるコンテンツは、
基本は。無料であるべきだと思うからです。
そうしないと、誰もついてこない。
違う世界の話になりますが、TV業界でも、
お金を払うのは、スポンサー企業ですからね。
視聴者ではありません。
このあたりは、重要な部分だと思います。